NiKIRIN工房日記

リカンベント工房の日々

自作ノススメ

我々NiKIRINの面々がはじめてリカンベントの存在を知った十数年前。
今も高価なリカンベントは、感覚的に更に高価な自転車だった。
勿論、街で見かける事も無く、情報も殆ど外国のものであった。
(実は横浜で十数年前、外国の方が乗っているのを見たことがあったが…)
しかし…乗りたい。一体どんなハンドリングなのか。
果たして、そもそも簡単に乗れる物なのだろうか…全く解からなかった。
色々資料を集めつつ、何とか手に入れられないかと画策していた。
しかし…得体の知れない物を慣れない個人輸入で入手する度胸も無い。
そんな訳で、必然的に思い立ったのが自作。
幸い、自作に着手する環境も材料も手元にある…学校家具や遊具のメーカーなので。
安い折りたたみ自転車を入手し、切った貼ったしつつ完成した「ニキリカ壱式」。

↑この無様な代物がソレ。まぁ、折りたたみ自転車の前部分にクランクが付いた代物。
コレで練習し、何となくリカンベントとはこの様な乗り味かを味わった。
そんな車両がはじめて乗ったリカンベント
そうして、もう少し本格的にと「ニキリカ弐式」に着手し、完成したのが…

↑この車両。LWB でUSS 。
フォークとリンク式ハンドルの差し替えでLWB にもSWBにも変更可能。
シートは自作アメリカンシートだった。写真のライダーは「イスニン」のidegoo画伯。
そんな最初が在って、今のNiKIRINがあるのだ。


前置きが長かったが、要するに今回は「自作」の紹介。
現在では比較的入手も簡単なリカンベントだが、やはり高価な事には変わりない。
世の中には、様々なすばらしい自作リカンベントを工夫している方が今迄も居られた。
前回の試乗会にもお越し頂いたハマー氏もその一人。
パーツの相談をしてくれた同氏が、試乗会にその完成車を持ち込んでくれた。

それがこのハマー号(勝手に命名)だ。
市販の折りたたみ自転車を加工し、殆ど全てをボルトオンにて組み立てた逸品。
思いつく限りの素材を工夫し、りっかり立派にリカンベントになっている。
「ニキリカ壱式」より遥かに完成度が高い。

風呂のマットを加工したシートは座り心地も良く、全体の強度も十分だ。
走り出しは若干の癖を感じたがそれもご愛嬌。
走り出してしまえばSWBらしいハンドリングで軽快に走る事が出来た。
十分実用に耐えるレヴェルに達していると思う。
確かに市販品より見劣りする部分は否めないが、そんな事は関係ない。
リカンベントに乗ってみたい、自らの手で完成させたい。その思いの結晶なのである。
ハマー氏の今後の改良や次回作に大いに期待したいし、心から応援したい。


次の「自作」は、パーツの自作。
市販のリカンベントにオリジナルのパーツを製作して付けちゃおうって考え。
このPerformerのカーボン Low-Racerに装着されたテールコーンが自作なのである。

なんという空力性能の良さそうな逸品。
実際装着後はギアで1段分速くなった…
外そうかと思ったが効果があるのでもう外せない…とはオーナー氏談。
試乗した人の意見を聞き、その状況を見ても一目瞭然速いのだった。
各所に積載部分やベンチレーションを工夫し、オーナーの体にピッタリ合う寸法だ。
軽量なフレーム部分は、なんと「傘の骨」を利用しているとの事。

世の中にはまだまだ、物凄い自作の達人があふれて居る!



最後はオリジナルペイントの作例。
下のTW-BENTS COBRA 、元々はホワイトペイントだった所をレッドにリペイント。
オーナーは各所をマスキングしつつ…
まるでプラモデルを仕上げるように完成させている。

更に、リアスゥイングアームには…
オーナーの愛犬から取った足型の意匠がかたどられているのだった。
細部にまで拘ったオリジナルペイント。
交換されたパーツ類のカラーも統一され、非常に印象的な仕上がりとなった。
色を変更する…最もインパクトのあるカスタムだ。



因みに現在のオリジナルは「ガキリカ」。
オーダーで製作している子供用リカンベント
乗らなくなった子供用車両をリカンベントに改造しますよ…と、いう製品。

*ライダーはモデルです。この車両は子供用で大人はご乗車できません(笑)

今後は大人用のオリジナルの試作品を作って行きたいなぁ…と画策中。
NiKIRIN も負けずに精進し、何れは国産量産オリジナルリカンベントを製作したいものだ。


大判写真は全て定例NiKIRIN FUN 合同試乗会 in 水元公園にて撮影
撮影にご協力頂いた参加者の皆様。ありがとうございます!また遊びに来てください。

Thanks for B.D.P